葛布八寸帯地「blanc 2」

経糸の座繰り糸も 緯糸の葛の糸も
全く染めない 生成り・無地 「blanc」2作目

1作目の時にも強烈に感じたが、生成り・無地はこちらの姿勢が問われ、正される思いがする
制作にかかった2ヶ月の間、私はきちんと帯地と向き合ってきたか?余計なことを考えず集中できていたか?気を抜かなかったか?
帯地がまるで記録紙であるかのように、それらが全て「記録」されているのです
しばらく布と対話していたような時間

葛布の帯blanc2お太鼓
お太鼓

経糸の座繰り糸は今回は節のない 本糸 
でも、蚕の息遣いと手技による「揺らぎ」が微妙に柄となって現れているのが伝わるだろうか
葛の糸の不均一さと結び目と 交差して 不均一な格子模様が浮き出てくる
これが「葛布」の持つ文様と言えるのかもしれない
無地ゆえの 葛布からのメッセージ

織りの道具「筬(おさ)」には竹筬と金筬があって、私はずっと竹筬を使ってきている この縦方向の微かな文様は糸の揺らぎだけでなく「竹」の羽と目のしなやかさゆえの揺らぎでもあるかもしれない

手先

手先側 同じく無地 お太鼓〜タレ先同様、ハリが出るよう、少し地厚に織っている

緯糸 葛 手績み糸(北海道札幌市)
経糸 絹 座繰り糸(群馬県安中市)
染め なし(生成り)
  八寸一分(約30.6cm)
  一丈三尺七寸(約517cm)

経糸太さ 200中 本糸
経糸密度 65本/寸(片羽)
緯糸密度 14〜15本/cm



こちらの帯地は岡山市の「染と織たかはし」さまにて お取り扱いいただくことになりました

これまで、展示会や公募展では海を渡った先で展示していただいたことはありましたが
北海道外の呉服店さまでお取り扱いいただくのは今回が初めてです 
私の織る葛布の帯地は薄く軽いので、暑い地域、暑い時期の心身に、きっと負担なくお締めいただけると思いますのでこの度のご縁がとても嬉しく 心から感謝

必要としてくださる方のお手元に届き、きっと末長くご愛用いただけますように
持ち主様の穏やかな暮らしとご健康をお祈りし、心を込めてお送りしました

(2020.11.16記)

葛の繊維 生成り
座繰り糸