how to care

葛布の帯の特徴と取り扱い

当工房で制作している葛布の帯の特徴と取り扱いについてのご説明です。
使い込んでいただくほどに柔らかくなり、味わい深くなります
どうぞ末永くご愛用いただけますように。

布について

・経糸に絹、緯糸に葛を使っております。
・最初はかたく張りがありますが、経年により柔らかくなり、感触や艶感、色などが変化していきます。
・大変軽く、薄いので、腰や体への負担が少ないです。
・通気性が良く暑い時には涼しく、寒い時には暖かく感じます。
・折り目やシワは多少残ります。
・滑りにくいので締めたら緩みません。

色について

・植物染料を使用しております。色移りや色落ちのないよう仕上げておりますが、水濡れや汗、擦れ、濡れた状態で長時間置く、などで色が移る可能性がありますのでご留意ください。必ず乾燥した状態で保管、ご使用ください。
・発色と色の定着のための媒染剤は、金属(鉄、銅、アルミ)を使っています。布ごとに何を使っているか明記しています。

糊について

・場合により経糸の絹糸には蒟蒻糊、仕上げには帯全体に葛粉の糊がかかっています。絹糸の蒟蒻糊は作業をしやすくするためと糸の保護のため、仕上げの糊は経糸と緯糸を馴染ませ、毛羽立ちを抑える目的です。ごく少量で、ハリを出すためには使用していませんので、帯地のハリは、葛糸と絹糸由来のハリです。

お手入れについて

・締める際に折った部分は、折り目の劣化を防ぐため、保管時は元に戻して収納することをお勧めします。また、保管の際には湿気と通気にご留意ください。

・締めた時のシワは、畳んで収納しておくことにより多少落ち着きますが完全には消えません。気になる場合はアイロン(スチーム可・中温・当て布)をかけていただくことができます。ただし、絹を使っているため、細心の注意のもとご自身の責任においてご使用ください。
目立たないところで試してみることをお勧めします。

・布の表面から出ている葛の糸端は、引っ張らずに丁寧に切り取ってください。

・半幅帯、角帯で芯の入っていないもの、仕立てていないものは、軽く水通しも出来ます。水かぬるま湯に浸し、こすったり、揉んだりせず、帯全体に水を通します。素材と色の保護のため、洗剤や柔軟剤等のご使用はお避けください。もし、どうしてもお使いになる場合は、目立たないところでお試しになり、ご自身のご判断と責任においてご使用ください。「水洗い」ではなく「水通し」という感覚での取り扱いをお勧めします。洗剤等をお使いになった場合の不具合については、こちらでは責任を負いかねますので、ご承知おきください。

・水通し後は絞らずに、織り目を整え、干してください。下に水が垂れるのを防ぎたい場合は、タオルなどを丁寧に当てて水分を吸い取ってください。完全に乾く前にアイロン(中温 当て布)をかけ、布を整えます。洗う前とは風合いは変化する可能性があり、布の歪みが出る場合もあることをご承知おきください。

・芯の入っていない八寸帯の場合も水洗いが可能ですが、仕立て方や縫い糸の性質によっては型崩れの可能性があることをご考慮ください。

・芯を入れて仕立ててある場合は水洗いはできません。

・水洗い、アイロン共、素材の保護をご考慮ください。長期的な観点から、頻度はなるべく少ない方が良いと思います。


・葛布の帯に関して比較的長期的にご参考にしていただけそうなことを note マガジンとしてまとめています。

・その他、ご不明な点はお問い合わせください。