about kudzu

葛について

日本原産 
マメ科、つる性の半低木 
春〜夏に伸びてすぐの蔓は青く柔らかいが秋になると木質化する。 
紫の花は秋の七草に数えられ、7〜8月に咲き甘い香りを漂わせる。
根から取れるデンプンは葛粉、根を乾燥させたものは葛根、若芽は山菜、花は酢の物や乾燥させお茶としても利用される。木質化した蔓の長いものは木などを組む際の現代で言うロープとしても利用されていた。古くから人の暮らしと共にある植物である。

北海道の葛について

北海道の歴史の上で、衣服としての植物の利用で代表的なものはアイヌ民族のアットゥシだ。アットゥシは主にオヒョウの樹皮を利用した織物(衣服)である。葛の繊維も何かに利用していたのではないかと随分調べたが、その形跡は全くない。
→2024.12 『「東蝦夷物産志」を読む』(北方植物資料研究会編著、クスリ凹凸発行舎、2024)に利用していたという記録があることが書かれていて驚愕。いずれblogにまとめたいと思っています)
葛を指す言葉(oykar/オイカラ)はある。

諸方面からの話をまとめて考えると、どうも北海道には葛はもともと生えていなかったが、何かの理由で本州から持ち込まれ、アイヌ民族にとって利用はせずともその繁殖力は驚異的でとても目立つ植物だったのかもしれないと思う。
私が知る限りでも 北海道の葛は年々その生息域を広げていル。

蔓が絡み付き他の植物を枯らしてしまうので厄介者扱いされがちだが、花も蔓も根も衣食に用いることが出来、土手などの緑化・土砂崩れ防止にも役立ち、人の暮らしに多くの恵みも与えてくれる。その驚異的な繁殖力は大変心強い。
邪魔だからと嫌わず、共に暮らしたい植物だ。