葛布について
葛布(くずふ)とは、葛から繊維を取り糸にし織られた布のことをいいます
日本における葛の繊維の利用、葛布の歴史は大変古く、古墳時代の遺跡からも葛の繊維が見つかっている その光沢と張りのある質感ゆえ歴史的に高貴な衣装として使われてきた経緯があります
経緯とも撚りをかけた葛布が生産されていた地域もありますが その光沢を生かすため糸に撚りをかけず緯糸として使い 経糸には綿や麻、絹を使う織り方が今も残る静岡が伝統的産地となっています
札幌の葛布について
当工房では、静岡県の大井川葛布で習った方法を元に 札幌の土と気候に合わせて そして着物の帯地という用途に合わせて 毎年微調整しながら制作しております
葛は札幌に自生するものを採取 染料は身の回りに生えている植物から得ています
布は、土地・人・文化・気候、それらの複合的な循環の中から生まれます。北海道に葛が生えているからと布を織ったからといって、厳密には、それは葛布でありながらも葛布ではないかもしれません
実際、土地の違いによる植物としての葛そのものの違いに加え 微生物、気候、道具、織り手の違いにより、その布の風合いは静岡のものとは異なり 独自のものとなっています
葛布ではないが葛布である葛布を札幌で生産することにより 葛布の存在、葛布の産地の発展に少しでも貢献できたらという思いも込めて 制作しております
葛布という名称を使うことについて
今の所の私の見解をブログに綴っております
https://sessou-no-ki.n2b.site/posts/roots
葛苧の作り方
葛苧の作り方のガイドラインを公開しております
https://kuzunonuno.notion.site/5c258d6e79a8458f867d9da6960348ef?pvs=4
・更新履歴・
2024.5.4 「葛布という名称を使うことについて」追加