縁-2

縁 半幅帯地 葛布


「縁」というタイトルの帯地は2作目。縁(エン・フチ)という語は大変に色々な意味を含み、特に布とも関連が非常に深い。そのことについて詳しくは1作目のご紹介ページをご覧いただくとして(こちら)、今回はその「縁」を元に、ご依頼主様のご意向と「縁」というタイトルのコンセプト、そして使用上の諸々を色々に擦り合わせ計画、制作。

縁(フチ)は両端で色を変えている。

縦方向、濃いグレーと生成りでおよそ中央から半々になるように色を配置、全体として大きく3つの色のエリアに分かれる。お締めになるときに、どの部分を表あるいは上に出すかで印象が変わることを期待。お着物や季節・気分に合わせて、さまざまにお愉しみいただけたらと思う。

経糸の色の切り替わりはざっくりと染め分け、緯糸の切り替わりとは意図的にずらす。「切り替わり」や「境界線」は常に緊張が付きまとう、非常に大事な部分だと考える。今回も漏れず、シンプルゆえにこの部分をどうするか?決断に時間がかかった。思えば「縁(フチ)」も、ある意味「境界」で、なるほど色々と意味深い帯地となった。

グレー側と、

生成り側

地の色の染料はフジとゲンノショウコ、縁の赤はマルメレイロ、もう一方はゲンノショウコ。どれも我が家の庭の代表的な染料。

(関連記事)
マルメレイロ
ゲンノショウコ(ポンライタ)

赤がほんのりと全体に波及する。

経糸 絹座繰り糸(群馬県 蚕絲館)
緯糸 葛手績み糸(北海道 雪草)
染め ゲンノショウコ、フジ、マルメレイロ、藍+ふきのとう
   生成り

寸法 四寸一分 × 一丈二寸六分
重さ 約85g

制作 2025.11 作品No.64

こちらの帯地はご依頼を受けて制作、無事にお納めいたしました。誠にありがとうございました。末長くご愛用いただけますように。