葛の蔓の刈り取りの時に落とした葉を集めて 座繰り糸を染めた
緑がベースにある淡い黄色

緯糸に葛の繊維 生成り

帯地の仕上げの糊がけに使うのは 葛粉で作る薄い糊

葛の葉・根・茎 が布の上で揃う
だからタイトルは「oykar」

oykarはアイヌ語で葛のこと オイカラと発音する
アイヌ民族が葛を利用した形跡は私が調べた限りでは皆無 でもこれだけ有用な植物をなぜ利用しなかったのか?
葛は北海道には本来無かったのではないか しかし本州から何かの理由で持ち込まれ その繁殖力は驚異的でとても目立ち だから名前がつけられたのではないか
というのは私の憶測に基づく持論。(2025年、アイヌ民族も葛を利用していたという記述のある文献に出会いました。認識を改め、後にこのページ内にてきちんと書きたいと思います。)
この帯地に使った座繰り糸は 太さの変化を定期的に繰り返す 特殊な繰り方をして頂いているもの その太さの差は結構あるのだが 糸を眺めるだけではあまり分からない 手で触っていってやっと分かるくらい
緩やかな変化
それが布になると 縦方向に地紋のように控えめな縞が現れ 光の加減や見る角度によって見え隠れする しかし確実に存在するその存在感は大きく
織り上げてその縞模様に初めて触れたとき 変な言い方だが ゾクっとした



無地 葛の糸の息遣いと光沢がダイレクトに伝わる
経糸の太さの緩やかな変化が交差し 大変深みのある帯地


※こちらの帯地は良いご縁をいただきました。誠にありがとうございました。
緯糸 葛 手績み糸(北海道札幌市)
経糸 絹 座繰り糸(群馬県安中市)
染め 葛葉
巾 八寸一分
丈 一丈三尺九寸
(更新履歴)
2025.2.23 アイヌ民族と葛の利用についての記述を追加