no title 四寸幅

no title 半幅帯

2015年制作
柄はともかく、布としては、ビス糸の最高傑作じゃないかと思う一枚。緯糸の程よい詰まり具合、経糸との絡み、光沢、肌触り、ハリがありつつもしなやかな、大変葛布らしく、布らしくなった。織り上がった当初から、その雰囲気は醸し出ていたようで、
「大変布らしくなった」
と、メモ書きしてある。

今でも、少し太めの経糸を使うときは、手元にこの布を置いて、この雰囲気を目指す。しかし、同じようには決してならない。もうかれこれ8年も前のものだから、年齢的な若さゆえ、できたものだったのか、それとも葛の性質が変わってしまったのか(環境的なものか、私の採取の仕方の影響か)、絹糸の生産年による微妙な違いか、などと、理由を色々考える。

何が変わって何が変わっていないのか?
そして、やはり、シワはほとんどない。

巾 16cm
長さ 404.4cm
緯糸 葛手績み糸(北海道)
経糸 絹ビス糸未精練 
染め 藍、茜