
yam 角帯地 葛布
yamはヤム、アイヌ語で「栗」のこと。自宅庭の栗の木の剪定枝葉を染料とした。媒染は鉄とアルミで、栗っぽい色のグレーと、茶がかった黄色に染めた糸を経緯とも用いている。

我が家の庭の栗の色で、栗のイガと強い生命力のようなもの、そして気の遠くなるような長い年月、森の動物たちと人間に食糧を与え続けてくれていることを思い、それらを私なりに解釈し表現した。

タテヨコ6本ずつの細かい線が交わる格子は帯の両端にのみ配置。中央の緑は真ん中からほんの少し片方に寄り、縦方向に半分に折った時に、片面に緑〜茶グレーへのグラデーションがより多く出るようにした。角帯地の想定だが、幅は五寸五分あるので、女性の方でも折り上げる幅を調整して六寸帯のようにお使いいただいたり、あるいは幅の広い帯をお好みの場合はこのままお使いになっても良いかと思いながら制作をしております。

経方向は中央より色を分け、お着物の色合いや気分によって、濃い色をメインにするか、明るい方をメインにするか、変えられるようにしています。
経糸 絹座繰り糸(群馬県 ぐんま200 蚕絲館)
緯糸 葛手績み糸(北海道 サッポロノクズ 雪草)
染め クリ、藍×ふきのとう
寸法 五寸五分 × 一丈一尺二寸
重さ 約115g
制作 2025.6 作品No.61
こちらの帯地は良いご縁をいただきました。誠にありがとうございました。
末長くご愛用いただけますように。
