
葛布八寸帯地「marmeleiro」
庭のマルメロの木の剪定枝葉で染めた赤を軸に、緑と茶を両端に配置。絹と葛では同じ染料でも違う色味に染まることが多いが、マルメロは色の系統がほぼ同じで、酸味の伴った綺麗な赤に染まった。経糸の絹と緯糸の葛の両方が交わる部分はまさに「マルメロ色」、鮮やかで落ち着きのある色合い。経糸が緑の部分は深みのある良い色になった。

お太鼓表側の葛糸は生成り、内側はマルメロ色。

お太鼓内側を表にすると、色味としてはこのような雰囲気になります。

合わせるお着物やその日の気分によって、リバーシブルでお使いいただける想定です。
前帯一巻き目と手先には赤と緑を交互に織り込み、経糸のランダムな絣に合わせて格子になるようにしています。締め方によって少しだけ見えたり見えなかったりすることをお愉しみいただけると嬉しいです。

経糸・緯糸とも、繊細な糸を用いています。
葛布の光沢が生き、柔らかくハリのある織物となっています。
経糸 絹座繰り糸(群馬県 ぐんま200)
緯糸 葛手績み糸(北海道 テイネの葛)
寸法 八寸二分 × 一丈三尺四寸
重さ 約200g
制作 2025.1 作品No.58