七尺帯地(半幅) 葛布
通常八寸帯地を織る時の糸量(経・緯とも)で、2本の帯地を織りました。寸法として幅四寸×長さ七尺の帯地です。一般的な帯からすると全体的に小さいので「葛豆帯」と名づけました。また、「手元にある糸を使い切る」こともコンセプトの一つとした色柄としています。
制作の経緯についてはblogに綴っていますので、そちらも併せてご覧いただけますと幸いです。
一本目はこちらです。
経方向の中心から半分は縦縞、もう半分は大きな格子。経糸に節糸を使っています。
緯糸の葛の糸は光沢を失わないギリギリまで太めに入れており、全体的に地厚になっています。
もう一本はこちらです。
座繰り糸の副産物である「キビソ」を3箇所に入れています。キビソは繭の一番外側、糸の引き始めに太さが揃うまでに引き出す部分と聞いています。そのひとまとまりをそのまま入れました。キビソの初めと終わり〜手業の息遣いが残ります。未精練のため硬いですがハリが出るので帯板要らずです。工夫して縛ったり捻ったりする場所を外してお使いいただくと、なお良いと思います。
兄弟です。
葛豆帯 七尺帯地(半幅) 葛布
経 絹 座繰り糸(群馬県/ぐんま200)
緯 葛 手績み糸(北海道)、部分的にキビソ(ぐんま200)
染め 赤麻、団栗、蕗の薹、藍
巾 四寸一分
長さ 七尺
重さ 約60g
2024制作 作品No.56,57