イタヤカエデ2020

昨年の9月に採取し天日干しして保管しておいたイタヤカエデの枝葉で染めた

イタヤカエデ・乾燥葉

採取した時点で染めたときには黒に近い緑茶だったが
乾燥・保管後の染料ではどのような色が出るか分からなかったので試染
絹は緑が濃いオリーブ色、葛は緑がかったグレーとなった

イタヤカエデ染めの糸 緑がかっている
イタヤカエデ乾燥葉・試染

乾燥して保管できる染料は本当に有難い。濃い色に染まりホッとして本番の糸を染めたら 絹が全然違う色になって驚いた

イタヤカエデ染めの糸・茶色に近い
イタヤカエデ乾燥葉・本番染め

不思議なのだが 葛は試染と同じ色 でも絹に染まった色はそもそもの色の質が違う 絹の糸に含まれる何かしらの成分の違いかもしれないし、自作の媒染剤の質の違いかもしれない
何にしても求めていた色と違い丸一日落ち込む 想定していた帯地のプランも多少変更した
何か、イタヤカエデに翻弄されているというか 戒められているというか  何かを教わっているというか とても不思議な気持ち 「イタヤカエデ先生」と呼びたくなってきた

因みに昨年、採取してすぐに染液を取り染めたときにはこのような色になった
その時の事はブログも書いている
(参考)「イタヤカエデ・ゲンノショウコに想う
この時は虫こぶばかりついた葉を用いたので、そのせいで濃く染まったかもしれない

イタヤカエデ染めの糸・黒に近い
イタヤカエデ生枝葉染め
イタヤカエデ・生枝葉

微妙な色味を写真に写すのが難しく 直射日光の下で撮るのが実際の色に一番近かったのでそうしたが、それでも完全に再現できていない 

いづれにしても、出会って間もないイタヤカエデ
今後も検証を重ねていきたいと思う
葛が緑ベースの色味に染まるのも珍しい


染料としたイタヤカエデはうちの庭に勝手に生えているものだ 
山からタネが飛んできて毎年どこかしらで発芽する 
大事にしたい

イタヤカエデ芽吹き2020の写真
2020春のイタヤカエデ・芽吹き

蕗の薹

今年最初の染めは蕗の薹(フキノトウ)

冬の間雪の重みで固まった落ち葉を突き破って出てくる柔らかい緑は半年間白一色だった私達の目にはとても鮮やかで
採りたい食べたいと思うのはもちろんのこと
染めたいと思うのも本能的な感覚なのではないだろうか

経験上
食べて美味しいくらいの芽吹きの頃に採取すると少し緑に近い黄色に染まり
トウが完全に立つ頃に採取するとより黄色味が増す

今回はその中間、花の咲き始めの頃のものを採取した 
ふきのとうの花は甘く良い香りがする

煮出した時の苦味の伴う香りは心地良く 外で何を吸い込んだか止まらなかったクシャミ鼻水も落ち着いた

雪の溶け切らない頃の山の中では 福寿草やヤチブキの鮮やかな黄色い花が目立つ
黄色は春の色だと思う

フキノトウ染めの座繰り糸

染めたのは群馬県で生産されている座繰り糸(蚕絲館さん)
葛の糸もそれなりに染まるがあまりパッとしないので染める意味があまりないと判断、糸に無駄な負担をかけないためにも数年前から染めていない
絹糸は鮮やかな黄色に染まり年数が経ってもほとんど退色しない アルミ媒染