葛と葛布について/北の葛布

 

ホーム > 葛布について

Copyright (c) 2010-2017kuzunonuno.  All rights reserved.

 葛から繊維を取り織られた布を葛布(くずふ)といいます。その歴史は大変古く、縄文時代の遺跡からも葛の繊維を利用したものが出土しているとか。その光沢ゆえ貴族の衣装などに好んで使われてきた経緯もあります。糸に撚りをかけず経糸に綿糸や絹糸などを使う織り方が主で、その方法が今も残る静岡が現在伝統的産地となっています。

 当工房でも、静岡/大井川葛布の手法を習い、北海道札幌に自生する葛から糸を取り、植物で染め、主に着物の帯を織っておりますが、土や微生物、気候、道具、織り手の違いにより、その布の風合いは独自のものとなっています。

 *植物「葛」:マメ科、つる性の半低木。春〜夏に伸びてすぐの蔓は青く柔らかいが秋になると木質化する。紫の花は秋の七草に数えられ、7〜8月に咲き甘い香りを漂わせる。根から取れるデンプンは葛粉、根を乾燥させたものは葛根。若芽は山菜、花はお茶としても利用される。


以下、その工程を簡単にご紹介します(撮影地は札幌)。

3.草の室に入れ発酵させる

7.細く裂き、繋ぎ、杼(ひ)に入れるためのツグリを作る

8.葛の糸を緯糸にして織る

6.採れた繊維=葛苧(くずお)。

9.ヒゲ切り

1.葛の蔓を採取する

2.煮る

室の中の様子

4.川で洗う

5.天日干し

10.仕上げ(糊かけ、砧打ち)

*北海道の葛について*

 北海道の植物利用で真っ先に思い浮かぶのはアイヌ民族、葛も利用していたのではないかと随分調べましたが、その形跡は全くありませんでした。しかし葛を指す言葉(=オイカラ)はあったそうです。諸方面からの話をまとめて考えると、どうも北海道には葛はもともと生えていなかったが、何かの理由で本州から持ち込まれ、アイヌ民族にとって、利用はせずともその繁殖力は驚異的でとても目立つ植物だったのかもしれないと、想像が膨らみます。私が知る限りでも、北海道の葛は年々その生息域を広げています。

 蔓が絡み付き他の植物を枯らしてしまうので厄介者扱いされがちですが、花も蔓も根も暮らしに用いることが出来、また、土手などの緑化・土砂崩れ防止にも役立ちます。一度はびこってしまうと手を焼きますが、邪魔だからと嫌わず、管理しながら利用していきたい植物です。